「秋茄子は嫁にくわすな」とは嫁に対してのいびりや否や? 「茄子のぬか漬け」「なすの味噌汁」等は絶品也!
10月17日は『国産なす消費拡大の日』でした。 :
4月17日の「なすび記念日」の17日を、毎月なすの消費を増やす日にしようと、「冬春なす主産県協議会」(高知園芸連、全農ふくれん、熊本経済連、全農岡山、佐賀経済連、全農徳島等)が2004(平成7)年2月9日に制定しました。
よくこの時期に「秋茄子は嫁にくわすな」という諺が取りざたされます。
さて「秋茄子は嫁にくわすな」との真意はいずこにありや?
鎌倉時代の和歌集「夫木和歌抄」には「秋なすび わささの粕につきまぜて よめにはくれじ 棚におくとも」とあり、これが「秋茄子は嫁に食わすな」の語源とも言われている。
わささは若酒=新酒のこと、よめ=夜目はネズミのことで嫁の隠語ともいわれている。
「秋なすび を美味しく保存するのに酒粕漬けにするのはいいども、棚に置いといてネズミ(憎らしい嫁)なんぞに食わしてなんねぇど」(私訳)
「秋茄子は嫁に食わすな」は姑が嫁をいびる、あるいは大切にする、二つの意味がある言葉と言われている。
秋茄子は嫁に食わすなとは、おいしい秋のなすは、もったいないから嫁には食べさせるなという姑の嫁いびりと当時なすは「貴重で美味しすぎた」為に伝承されたと思られる。
また、反対に、なすは体を冷やす、あるいは種が少ないので子供ができないといけないから、嫁には食べさせるなという嫁を大切に思う言葉もある。種が少なくて困るのはむしろ夫のほうであるが。
江戸時代の貝原益軒によって書かれた『養生訓』に、「茄子は性が寒冷で多食すれば腹痛下痢をおこし、婦人は子宮を傷める」とある事などから、「なすは体を冷やすので子供ができないといけないから、嫁には食べさせるなという嫁を大切に思う言葉」という風に後日付け加えられたもののようです。
封建的制度の中、嫁と姑の確執があったようです。美味しすぎる秋のなすは、非常に貴重でもったいないから嫁には食べさせるなと解釈するのが自然だと思います。
現代的解釈としては『美味しすぎるナスはみんなで味わいながら食べましょう』。
特に「紫色した茄子のぬか漬け」そして「なすの味噌汁」等は絶品ですね。
●同意語
秋かますは嫁に食わすな/秋鯖嫁に食わすな/秋蕗嫁に食わすな/五月蕨(ごがつわらび)は嫁に食わすな
● 反意語
秋茄子嫁に食わせよ
ナスは東日本で使われ、西日本ではなすびという。
・付録
「親の小言と茄子の花は千に一つの無駄もない」
ナスの花が結実する割合が高いことに、親の小言を喩えた諺。
★ナス(茄、茄子)
ナス(茄、茄子)とは、インド東部を原産とするナス科ナス属に属する植物で、その果実は食用に利用されています。
日本へは奈良時代に「奈須比(なすび)」として伝わりました。
ナスは煮る・焼く・蒸す・揚げるなど様々な利用理法で食べられており、 代表的な料理には、浅漬け、焼き茄子、麻婆茄子、煮びたしなどがあります。
ナスは灰汁を多く含むため通常は生では食べることは出来ませんが、 最近では灰汁の成分であるアルカロイドの少ない、生食用が出来る品種も作られています。
ナスにはカルシウム、カリウム、ビタミンB1、ビタミンC、鉄、食物繊維などの栄養素やミネラルを含んでいます。
種類
【形状】
小丸ナス 京都の椀ぎ(もぎ)、東北の民田(みんでん)、山形の出羽
丸ナス 信越地方、関西
卵形ナス 関東一円
中長ナス 全国的に栽培
長ナス 関西以西、東北
大ナス 九州地方
米ナス アメリカ品種、ブラックビューティーを日本で改良
【色】
紫、緑、白などがあります。