花鳥風月・季節とともに暮らす喜怒哀楽365日

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10月26日の「柿の日」に寄せて 「柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺」 正岡子規の思いとは?

 

 

10月26日は「柿の日」記念日です。
全国果樹研究連合会カキ部会が柿の販売促進を目的に制定。日付は俳人正岡子規が明治28年の10月26日からの奈良旅行で、有名な「柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺」を詠んだとされることにちなむ。また、地域によって違うが柿の旬の中心的な時期にあたることもその理由のひとつ。

10月26日の「柿の日」に寄せて「柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺正岡子規

 


かきくえば かねがなるなり ほうりゅうじ

 


正岡子規は明治28年10月に、病気療養中の松山を立って、最期の旅行となる上京へ向かいます。途中須磨・大阪に寄って奈良に入りました。
奈良では興福寺東大寺を訪れた後「法隆寺」に立ち寄った様です。


「柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺」『法隆寺の茶店に憩ひて』と前書きがあり。

 

「茶店で出された御所柿を食べていると遠くで法隆寺の鐘が鳴り、古よりの鐘の音色に由緒正しき日本の秋の訪れを感じることであるよ」(私的訳)


「柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺」は鄙びた斑鳩の里を背景に、ひんやりとした風を感じながら創建607年・世界最古と伝わる法隆寺を悠久の歴史的、空間的象徴としてかつ視覚的に、遠くの鐘の音を聴覚的に、柿を味覚的に4次元の立体的空間として捉えている。

正岡子規法隆寺にある茶店で柿を食べながら詠んだと言われる「柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺」という俳句は、時空を超えた悠久の時の流れと、『由緒正しい日本の秋』を読み手の五感のすべてに訴えかけ、味わってもらいたいという思いが込められている。

 

法隆寺の中でも美しすぎる百済観音を拝観できます。柿を食べている時期は紅葉も見事です。

『美しすぎる・由緒正しい日本の秋』を伝え、残したいというのが死期を目前にした正岡子規の思いだったのではないでしょうか。

 

そしてその思いは1993年に「法隆寺地域の仏教建造物」としてユネスコ世界遺産文化遺産)に登録されたのでした。


「柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺」は正岡子規法隆寺を詣でた後の茶店で詠んだ句と言われていますが

実際には鐘の音は東大寺の鐘だったようです。

翌日法隆寺に行って、東大寺とするより法隆寺とした方がふさわしいと思って、そう直したと言われています。

正岡子規は柿好きとして有名で、大和名産の御所柿を特に好んで食べた様です。御所柿は普通の柿に比べ赤みが強く、栽培も非常に難しく 今では数軒の農家でしか取り扱っていない幻の柿と言われています。

 

法隆寺近辺には季節になると柿の販売所が立ち並びます。

御用とお急ぎない方はぜひお立ち寄りください。正岡子規の心を味わいましょう。


法隆寺

 


奈良 「法隆寺」


法隆寺は7世紀に創建され、古代寺院の姿を現在に伝える仏教施設であり、聖徳太子ゆかりの寺院である。創建は金堂薬師如来像光背銘、『上宮聖徳法王帝説』から推古15年(607年)とされる。金堂、五重塔を中心とする西院伽藍と、夢殿を中心とした東院伽藍に分けられる。境内の広さは約18万7千平方メートルで、西院伽藍は現存する世界最古の木造建築物群である。

法隆寺の建築物群は法起寺と共に、1993年に「法隆寺地域の仏教建造物」としてユネスコ世界遺産文化遺産)に登録された。建造物以外にも、飛鳥・奈良時代の仏像、仏教工芸品など多数の文化財を有する。


御所柿とはやまとがき、ひらがきともいわれ、奈良県で生産されるカキである。実は扁平でやや方形をなしている120~130gと小ぶりの甘柿。果肉の色は濃い紅色で、肉質は緻密。奈良県御所(ごぜ)市原産とされる。

 

★正岡 子規(まさおか しき、1867年10月14日(慶応3年9月17日) - 1902年(明治35年)9月19日)は、日本の俳人歌人国語学研究家。名は常規(つねのり)。幼名は処之助(ところのすけ)で、のちに升(のぼる)と改めた。俳句、短歌、新体詩、小説、評論、随筆など多方面に亘り創作活動を行い、日本の近代文学に多大な影響を及ぼした、明治時代を代表する文学者の一人であった。死を迎えるまでの約7年間は結核を患っていた。

 

※おまけの付録 京都駅⇒法隆寺薬師寺への交通案内


私は京都駅からJR電車で法隆寺迄行き次いで法起寺を回り、薬師寺唐招提寺へとたどる道順を1日のコースとしています。奈良薬師寺には世界最高峰の仏像「薬師三尊」が安置されています。


JR京都駅⇒法隆寺⇒徒歩で中宮寺⇒徒歩で法起寺⇒バスで薬師寺⇒徒歩で唐招提寺西ノ京駅より近鉄・JR京都駅